『キングダム 大将軍の帰還』:壮大な戦闘と深い人間ドラマ

Kingdom Movies

皆さんこんにちは!ロサンゼルス在住のNamiです。

本日は最近Netflixでも解禁された『キングダム 大将軍の帰還』についてレビューしたいと思います。私は原作漫画のファンで、映画も全て観ています。本作は、大沢たかお演じる王騎が中心になり物語が展開します。原作の中でもお気に入りのエピソードだったので制作が決まった時から公開を楽しみにしていました。

2019年に1作目が公開され、その年の邦画興行収入1位に。2022年、2023年に続編を立て続けに公開し、現時点で『るろうに剣心』や『東京リベンジャーズ』といった漫画の実写映画における最高地点を更新し続け、漫画としてだけでなく映画としてもその地位を確固たるものにしています。

概要

『キングダム 大将軍の帰還』は、原泰久の人気漫画『キングダム』を原作にした実写映画シリーズの続編であり、戦国時代の中国を舞台に壮大な戦闘と人間ドラマが繰り広げられます。本作では、若き兵士・信(山崎賢人)と彼の仲間たちが、王騎将軍の指揮の元、敵国趙との戦いに挑みます。『キングダム』シリーズは、原作の壮大なスケールを忠実に再現し、観客を戦場の熱狂と感動に引き込んできました。

監督は佐藤信介、キャストにはお馴染みの山崎賢人、大沢たかおをはじめとした実力派俳優が名を連ね、戦闘シーンや感情的なドラマが見どころとなっています。

あらすじ
春秋戦国時代の中国。馬陽の戦いで、隣国・趙の敵将を討った秦国の飛信隊の信たちの前に趙軍の真の総大将・ほう煖が突如現れた。自らを「武神」と名乗るほう煖の急襲により部隊は壊滅的な痛手を追い、飛信隊の仲間たちは致命傷を負った信を背負って決死の脱出劇を試みる。一方、その戦局を見守っていた総大将・王騎は、ほう煖の背後に趙のもう一人の化け物、天才軍師・李牧の存在を感じ取っていた。

見どころ ※ネタバレ注意

①大沢たかお、原作を超える王騎

個性豊かなキャラクターが多い『キングダム』ですが、王騎将軍はビジュアルも性格もくせがあるキャラクターです。実写化1作目で大沢たかおが王騎として現れた時は、彼の起用を疑問視する声も聞かれましたが、回を重ねるごとに大沢たかおが王騎を体現し、憑依していく様が素晴らしく、『大将軍の帰還』では大沢たかおじゃないと王騎将軍の役は務まらなかっただろうと感じました。

彼は撮影に向けて筋肉をつけるために食生活を変え、ストイックなトレーニングをして、王騎の身体を作り上げました。それだけでなく、アクションシーンも圧巻でした。

王騎は、冷静で威厳のある人物ですが、本作では怒りを露わにするシーンが多くあります。因縁の相手である龐煖を目の前に感情を昂らせる場面は鳥肌ものでした。特に雄叫びを上げながら龐煖に向かっていくシーンや矛同士での戦いは感情の波が雄叫びと表情と、矛を持つ腕と、全身で表されていて、目が離せませんでした。彼は大将軍であり孤高の存在でありながらも、苦悩や悲しみを抱えて乗り越え、数多の死戦を潜って強くなった人間であることも魅力だと感じました。

こういった戦闘シーンも魅力的ですが、私は、王騎軍が窮地に追い込まれ力技に移行した後と、王騎将軍が信に対して、戦術だけでなく、大将軍としての心構えや覚悟を教えていくシーンが印象的でした。力技に移行した時は1人10殺を義務付け全員を鼓舞し、信とともに馬に乗って後退しながら大将軍としての心構えを解くことで信が成長し続けるための指針となり、武力だけでなく精神的な成長を促し、最終的に信を大将軍へと導いている姿は、敗戦しても大将軍としての誇りと威厳が感じ取れます。

今回の大沢たかおは、ストーリー的にというのもありますが、主役に劣らない存在感を放っています。彼は日本アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされており、その演技力が高く評価されていることがわかります。最優秀助演男優賞を受賞するのか、日本アカデミー賞の発表が楽しみです。

②想像を絶するアクション

『キングダム』シリーズは、新作が公開されるたびにその圧倒的なアクションシーンが話題になっていましたが、今回は前作にましてスケールが大きくなっていました。特に戦闘シーンは、スケールが大きく、リアルな描写がされています。CGIや特撮技術を駆使しており、数千人規模の兵士が戦場を駆け巡る様子がしっかり再現されてます。この迫力はぜひ映画館で味わって欲しいです。

壮大なスケールでのアクションシーンの中でも、軍を抜いていたのは王騎と龐煖の一騎打ちです。騎馬に乗っての矛同士の戦いで、6日間にわたって撮影されたんだとか。今までの信や羌瘣の剣を使っての素早い動きを活かしたアクションシーンも見応えがありましたが、今回は騎馬と矛という重みが加わって、素早さの中に迫力が増した感じがしました。特に、矛のしなり具合や、一振りで敵を薙ぎ倒してしまう迫力感、そして矛を握る腕の筋肉や血管の浮き出る様子、馬がのけ反る様子など一瞬も目を離せない展開が繰り広げられていました。

③『帰還』の意味

最初はこの「大将軍の帰還」の意味が、王騎将軍が「戦場に帰ってくる」という意味に捉えた人も多かったのではないでしょうか。本作では戦場から遠ざかっていた王騎将軍が本格的に戻ってくるところから始まり、なぜ戻ったのか、なぜ馬陽にこだわるのか、などが紐解かれていきます。

ですが、それだけではなく、馬陽の戦いを経て、「英雄として秦へ帰ってくる」という意味もあったんですね。これは映画の最後で秦国大王の嬴政の一言で回収できるのですが、それを聞いた瞬間号泣した人も多いのではないでしょうか。原作では、なかったシーンが追加されたわけですが、これが追加されたことで、秦国が王騎の今までの功績を讃えている、敗北をしてもその栄光は永遠に中華の歴史に刻まれるであろうことを示唆してます。今までの4作品の集大成感が一気に増して、感動しました。

④脇役の重要性

『キングダム』はただの戦国無双の物語ではなく、キャラクター1人1人にどういう過去があって今があるのか、今何が起こっていてどう未来に繋がるのか、というのを非常に大事にしています。その中で、脇役がメインキャラクターに与える影響も大きく、ストーリーの鍵になっていることもたくさんあり、本作でも3人の脇役がその存在感を出していました。

紫花
趙の商人で、幼い政(後の嬴政/秦王)を趙から脱出させる際に大きな役割を果たしました。ただ打出させるだけではなく、当時政が抱えていた心の闇を打ち勝つのを助けた特別な女性です。本作では杏が紫花を演じていますが、彼女の出演が発表された時から適任だと感じていました。政を命がけで守り、どんな状況でも諦めない姿に心を歌えた人も多いのではないでしょうか。


王騎と並ぶ六大将軍の一人で、幼少期から王騎の元で育ったため戦にめっぽう強くなった女性武将です。戦場では圧倒的な実力を誇り、多くの功績を上げ、99の城を落としました。100個城を落としたら王騎と結婚すると幼少期に誓っており、王騎もその約束を覚えていました。しかし、目前に突如現れた龐煖に敗れてしまいます。王騎の心に深い傷を残した事件でもあり、王騎が馬陽にこだわる理由にもなりました。新木優子が摎役を務めましたが、思ったより良かったなと感じます。最初は、新木優子が武将役?と疑問に思いましたが、思いの外あっているなと感じました。

尾到
今回脇役のストーリーの中で一番泣いたのがこの尾到の死でした。尾到は飛信隊の一員で、同じ村の出身です。幼い頃からお互いを知っており、尾到は信の強さや信念を同郷のものとしてとても誇りに思っていました。彼が死んでしまうシーンはもちろん悲しいのですが、亡骸を見た兄の尾平が「こういう時は笑って送ってやるんだ」と頑張って笑いながら、でも涙を堪えきれずに話すシーンがとても印象的でした。

⑤信の成長

今まで本作のストーリーの中心である王騎や脇役についてお話ししてきましたが、主人公信の存在を忘れてはなりません。山崎賢人が演じる信は、今回百人将として馬陽に向かいます。最初は勢いや打たれ強さだけでやってきていた印象ですが、今作では勢いだけではない信も垣間見えます。100人という小さいながらもその小ささと活かしてどう戦うのか。王騎将軍との修行で得た経験が今回の戦に生かされていきます。この4作品を通じて、信はすごく成長しました。

そして、王騎将軍と一緒に馬に乗るシーンでは、大将軍とは何かを教えてもらい、今後の成長がすごく楽しみになる展開になっています。本作だけを見ても、山崎賢人のアクションシーンや「信」という人物を体現する演技力には光るものがありますが、4作品通じて、キャラクターの中で最も変化があるのが信なんです。奴隷という身分から百人将になるまで、そして百人将になって初めての戦い、大将軍と共に戦うという貴重な体験を経て変化していく信をとても丁寧に演じていると感じました。

山崎賢人も、今年の日本アカデミー賞で主演男優賞にノミネートされています。今までも、ノミネートされるべきだとずっと言われてきましたが、なかなか叶わず、、、4作品を通じてやっとノミネートされたことに喜ぶファンは多いのではないでしょうか。

評価と総評

『キングダム 大将軍の帰還』は、原作の良さを活かしながら、実写ならではのストーリー展開を楽しむことができる作品でした。また、アクションシーンやこの作品にかけるキャストの想いがキャラクター一人一人に現れており、それがスクリーン越しに感じ取れ、目が離せない作品となっていました。

『キングダム 大将軍の帰還』は、原作ファンだけでなく、実写映画としての魅力を求める人々にも十分に楽しめる作品です。まだ見ていない方はぜひNetflixで見てみてください。また、見る前に前作をぜひみてください。

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