るろうに剣心 The Final 究極のアクション超大作

Movie

アクションシーンに目が離せなかった。

こんなにも素晴らしいアクション映画に出会えたことに心から感謝した。

10年。漫画原作のシリーズ物で、ここまで立派に成長し続け、観客を魅了し続けた映画は稀であろう。

アクション映画として何がそこまで私たちを魅了するのか。

それはやはりキャラクターの再現性、演技力、アクションの精度・迫力、スケールがうまく調和されているからであろう。

一方でストーリーはどうか。漫画原作を知るものをしては、時頼物足りなさを感じた。目が離せなかったのは事実だが、惹きこまれたか、と聞かれるとそれは漫画ほどではなかった。

あらすじ・概要

本作は和月伸宏の人気漫画を実写映画化したシリーズの最終章2部作の第1弾。志々雄真実との戦い後、穏やかに暮らしていた緋村剣心と、彼に忍びよる最凶の敵・雪代縁との死闘を描く。メガホンを取ったのは、前3作に続いて大友啓史監督。主演の佐藤健をはじめ、武井咲青木崇高蒼井優江口洋介らシリーズおなじみの俳優陣に加え、新田が縁役で出演している。


かつて、激動の幕末を刀一本で戦い抜いた伝説の人斬り、緋村剣心。新しい時代を迎え、「不殺の誓い」を立てた剣心は、斬れない刀“逆刃刀(さかばとう)”に持ち替え、数々の死闘を乗り越えて平穏な日々を送っていた。

ある日、何者かが東京を砲撃し、町が燃え上がる。同時に、空から「人誅」と書かれた紙がバラまかれる。「人誅」とは、「天が裁かないなら己が裁きを下す」という意味だ。誰が何のために…。
次々と大切な人々が襲われ追い詰められていく剣心の前に、上海マフィアの頭目・雪代縁が現れる。剣心の“十字傷の謎”を知る彼こそが、剣心を苦しめる黒幕だった。すべてを悟った剣心は、薫や仲間たちを集め、誰も知らなかった剣心の過去を語り始める。それは、決して消えることのない十字傷の謎へとつながっていく…。

新キャスト新田真剣佑の躍動

今回は新キャストとして雪代縁役の新田真剣佑が登場。初登場であそこまで存在感を出すとは思ってもいなかった。

メインキャストなのだから目立って当然、と思う人もいるかもしれないが、それだけでここまで印象に残ることはない。

彼がクランクインのずいぶん前から鍛え上げた肉体・アクション、そして否応なく溢れる剣心への憎悪を表現する様は、あの精悍な顔からは想像し得なかった「縁」という人物と彼の感情を完璧に、いやそれ以上に表現していた。こ

これまで3作品に渡って剣心を演じてきた佐藤健に全く引けを取らない、アクション俳優としての新田は登場わずか数秒で観客の心を鷲掴みにした。

彼の父千葉真一は、初めて、「『俺を越えたな』と思える役者が出てきた」と語っている。世界的アクション俳優である千葉のこの一言だけで、「るろうに剣心 最終章 The Final」は十分見る価値のある映画と分かっていただけるであろう。

ラストのアクションシーンは文字通り目が離せない。気を抜くと二人のスピードについていけなくなるのだ。そのスピード感は早送りをしているかのように感じるほどである。

佐藤健のはまり役

るろ剣が始まった時、佐藤健は23歳。「おろ?」という一言があんなにも似合う俳優はいない。そしてあそこまでのアクションをこれほど身軽にこなせる俳優もいないだろう。

アクションシーンはどんどんハードになっていったが、映画の中では「難しい」ということを感じさせない。事前にどれほどの練習を積み、入念に同線を確認し、失敗を繰り返しながら撮影しているということを全く感じ取らせないほどの素晴らしさなのだ。

作中では皆が「剣心は最強。絶対に負けない。」と思っているが、私から言わせれば、「佐藤健は最強。絶対に負けない。」と言いたいぐらいだ。そう思うくらい、剣心は佐藤健にとってハマり役であり、るろ剣シリーズには決して欠かせなかった人物なのである。

本作ではその剣心が過去と対峙することで今までに見せなかった苦しい表情を見せることになる。

ストーリーの再現性 ※ネタばれ含みます

アクションに関する話が先行してしまったが、ストーリーにもしっかり注目したい。

今回は初めて剣心が自分の過去と対峙する。

神谷道場の者たちにも今まで語られなかった剣心の人斬り時代の過去、人斬りとしての最大の過ちについてだ。なぜ逆刃刀を手にし、「殺さず」を貫くのか。今までところどころ点で語られてきたことが一気に線となる瞬間があるのだ。

そこで重要になるのが、10年ぶりの窪田正孝の登場だ。回想シーンとして描かれているが、そこから紐解かれる隠された真実には誰もが注目することになる。

それを薫はどのように受け止め、剣心を支えていくのか。そして剣心と縁の対決を経てどのような結末を迎えるのかが今回の肝となる。

ただその肝の部分が少し弱かったなと感じた。

縁が薫を姉である巴と重ね合わせ、巴の想いを知って、自分の弱さと向き合うことで復讐よりも人を守ることを選ぶのは原作にも沿っているし筋が通っている。

また、薫に関しては、実は薫の髪型は終盤にかけて巴に似せられて言っており、巴と薫が全く別人ということが分かりながらも、剣心を大切に思い、守りたいという二人の共通した部分を表しているとも言えるし、どこか薫と巴を重ねてしまう縁の心情を表しているとも言える。

一方で剣心はどうだろうか。自身の過去を話すときの苦しそうな表情や周りの人が傷めつけられてやるせない思いをしていることは伝わってくる。ただ、それ以外は今までの剣心であって、大きな変化は見られないように感じた。

物語で重要だったのは、原作にあるように一度薫が死んだと思い剣心の心が壊れてしまうこと、そしてそこから殺さずの剣客としての答えを見つけることだったと思う。しかしそれが丸々カットされているのだ。

え、これ一番大事なシーンの1つだよね!?と思わず突っ込みたくなったほどだ。

宗次郎をわざわざ友情出演させるのに時間を割くのではなく、神谷道場での戦闘シーンから縁の拠点に行くまでの流れをもう少し丁寧に描いてほしかったなと思った。

るろ剣といえばアクション、というのは理解できるけど、やはりそれに付随するストーリーがしっかりしていないともう一度見たい映画にはならない。

まとめ

大前提、アクションシーンは素晴らしく、スケールも前作以上のものを見せてもらった。特に最後のアクションシーンはどれほど練習したんだろう、と思うぐらい素晴らしいものだった。

その反面、シリーズものなので、基本的に物語が続いているものであって、きれいな流れでつながって入れば、もう一度最初から見直したいと思えると思うが、その域までは達さなかった。

The Beginnigを見たらまた感想が変わるかもしれないので、今はそれをただ楽しみに待ちたいと思います!

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